公開日2021年8月22日 最終更新日 2021年9月19日
みなさんこんにちはmichiです。
今回からQC検定1級の内容を記事にまとめていきます。
一回目は「QCストーリー」についてです。
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QC検定1級では、筆記問題が出題されます。
過去問の筆記問題の解説を読むと「プロセス・ストーリー・方策が過不足なくまとめられている」とあります。
なんのこっちゃ? ってことで、「QCストーリー」について学んでいきます。
キーワード:「問題解決」「課題達成」
目次
①2種類のQCストーリー
プロセスストーリーもといQCストーリーとは、問題解決または課題達成のための手順のことです。
問題解決型QCストーリーの手順は
- ステップ1 テーマの選定
- ステップ2 現状の把握と目標の設定
- ステップ3 要因の解析
- ステップ4 対策の立案
- ステップ5 対策の実施
- ステップ6 効果の確認
- ステップ7 標準化と管理の定着
- ステップ8 反省と今後の対応
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課題達成型QCストーリーの手順は
- ステップ1 テーマの選定
- ステップ2 課題の明確化と目標の設定
- ステップ3 方策の立案
- ステップ4 成功シナリオの追求
- ステップ5 成功シナリオの実施
- ステップ6 効果の確認
- ステップ7 標準化と管理の定着
- ステップ8 反省と今後の対応
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ステップ1,6,7,8は同じ言葉が使われていますが、ステップ2~5は異なる表現となっています。
(( ;゚Д゚))ブルブル
しかし、恐れる必要はありません。
本質的にはどちらもほぼ同じだからです。
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ところで、問題と課題の違いですが、問題とは現状抱えている困難、課題とは目標を達成するためにこれから生じるであろう困難、と覚えておきましょう。
今の困難が問題、将来の困難が課題 ということです。
それでは、QCストーリーの各ステップについて、大きく4つに分けて考えていきましょう!
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②ステップ1,2 テーマの選定と事実確認・目標の設定
ステップ1 テーマの選定
ステップ1では、テーマを選定してください。
だいぶザックリしていますが、ザックリでいいです。
テーマの選定は大まかに目的地を決める作業と考えてください。
某You Tuberのライオンさんの言葉と借りるなら、「海に行くのか山に行くのかを決める」ということです。
その目的地へ行くために何が必要なのか?を次のステップで考えていきます。
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ステップ2 現状の把握と目標の設定/課題の明確化と目標の設定
ステップ1でテーマの選定ができました。
次に考えることは、問題の解決策を考えたり、課題達成の良いアイデアを考えること・・・
ではありません!
チガウノ! Σ(・ω・ノ)ノ!
テーマの選定後に行うことは、「現状の把握」または「課題の明確化」です。
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どういうことでしょうか?
例えば、目的地が富士山だとしましょう。
まず考えることは、登山道具は何を持っているのか(現状の把握)や、どのような困難が起こりうるだろうか(課題の明確化)です。
この時に忘れてはいけないことは、目標の設定です。
目標には、富士山の頂上まで登るのか、5合目なのか、日の出を見たいのか、どのくらいの期間で登るのか・・・などなどがあります。
目標によって、現状の把握で確認した持ち物で十分なのか、また、想定している課題が変わってくるためです。
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問題解決型QCストーリーの場合は、現状の把握と目標の設定の後に、「何が問題か」を明確に定義することを忘れないようにしましょう!
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③ステップ3,4 要因の解析・対策の立案/方策の立案・成功シナリオの追求
ステップ3 要因の解析
ステップ3は、問題解決型と課題達成型では少しアプローチが異なります。
まずは問題解決型のステップ3要因解析について考えます。
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ステップ2で、問題解決型では「何が問題か」を明確に定義できました。
次は問題の解決策を考える! ではありません!
マタチガウノ! Σ(・ω・ノ)ノ!
次にやるべきことは「なぜ問題が発生したのか」を考えることです。
あせって解決策(仮)をだしても、問題の原因と無関係では、何も解決しません。
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このように、問題解決型では「何が問題か」を定義した後は、「なぜ問題が発生したのか」すなわち要因の解析を行います。
要因の解析には記事「信頼性工学 2」でも紹介したように、「なぜなぜ分析」がオススメです。
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ステップ4対策の立案/ステップ3方策の立案
問題解決型では、要因の解析が終わり問題の原因がわかりました。
次のステップ4では、その原因を抑えるように対策の立案を行います。
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課題達成型では、課題を明確にしました。
次のステップ3では、その課題を達成するための方策を立案します。
このとき、系統図法を用いると目的をを達成するための手段が整理できます。
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ステップ4 成功シナリオの追求
課題達成型では、課題を達成するための手段が決まりました。
次にやることは、決めた手段の妥当性を評価することです。
「手段が決まりました!でもやってみないと効果はわかりません!」では、時間をムダにします。
手段の妥当性を評価する方法は、「So What分析(勝手に命名)」が有効です。
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この「So What分析」は、なぜなぜ分析の妥当性を確認するときにも使える方法です。
なぜなぜ分析では、「結果⇒原因/結果⇒原因・・・」と繰り返していきます。
結果⇒原因を繰り返すことで、本質的な原因を追究を目指します。
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「So What分析」では、仮定している事実(原因)から結果を考え、その結果がさらに引き起こす結果を論理的に展開していきます。
なぜなぜ分析の逆をたどるのが、So What分析になります。
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④ステップ5,6 対策の実施・効果の確認/成功シナリオの実施・効果の確認
ステップ5 対策の実施/成功シナリオの実施
ステップ4までで問題解決型も課題達成型も何をすべきかを決めました。
あとはやるだけです。
Just Do it! (ง •̀_•́)ง‼
綿密に計画を立てたので、いざ実施のタイミングで足踏みをしている場合ではありません!
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しかし、やって終わり!ではありません。
ステップ6 効果の確認
対策の実施・成功シナリオの実施を行ったら、次のステップ6 効果の確認で、適切なフィードバックを行います。
立案した対策や方策は考慮していなかった要因のせいで、うまくいかないかもしれません。
結果がどうあれ、実施した対策や方策の効果の確認とフィードバックを行いましょう。
それが、次のステップにつながります。
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⑤ステップ7,8 標準化と管理の定着・反省と今後の対応
ステップ7 標準化と管理の定着
ステップ6までを終えて、どのような方法が問題解決・課題達成に有効かわかりました。
次のステップ7では、標準化と管理の定着を行います。
簡単に言えば「ルール作り」です。
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ただ単にルールを作っても、ルールが守られなければ意味がありません。
そこで、ルールの作成(標準化)ができたら、ルールがしっかりと定着できるように管理をしていきましょう。
具体的な管理方法として、以下の方法が考えられます。
- ミーティングで確認
- 該当の職場に貼りつける
- 該当の職場ないで作業者が相互に確認し合う
- ・・・
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管理方法は職場にあった方法を選ぶと良いです。
重要なことは、そのルールを作るに至った背景や理由、目的をルールを守る人に伝えることです。
ルールを守る人がルールを作っていれば良いのですが、「ルールを作った人≠ルールを守る人」という場合も少なくありません。
このような場合、ルールを守る人の視点で考えると、「また余計な作業が増える!」と思ってしまいます。
こんな状態では、ルールの定着(作業の標準化)なんてできっこないですよね。
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ステップ8 反省と今後の対応
さて、ステップ7で標準化と管理の定着ができたら、最後に反省と今後の対応を行います。
・・・(。´・ω・)?
(ステップ6 で効果の確認をしたはず・・・)
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たしかに、ステップ6で効果の確認を行いました。
ステップ6では、対策や方策の効果が問題や課題に対して効果的であったかを確認し、フィードバックをしました。
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ステップ8でいう反省とは、対策や方策に対してだけではなく、QCストーリー全体の反省になります。
事実確認は適切・迅速に行えたか、標準化は正しく行われ、管理の定着は滞りなく行えたか・・・などです。
そして、今後の対応として反省でうまくできたことは継続し、うまくできなかったっことは改善しましょう。
✰(ง •̀ω•́)ง ᶠⁱᴳʰᵀᵎᵎᵎ
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⑥QC検定対策のポイント
以上がQCストーリーになります。
最後におさらいをしましょう。
問題解決型QCストーリーの手順は
- ステップ1 テーマの選定
- ステップ2 現状の把握と目標の設定
- ステップ3 要因の解析
- ステップ4 対策の立案
- ステップ5 対策の実施
- ステップ6 効果の確認
- ステップ7 標準化と管理の定着
- ステップ8 反省と今後の対応
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課題達成型QCストーリーの手順は
- ステップ1 テーマの選定
- ステップ2 課題の明確化と目標の設定
- ステップ3 方策の立案
- ステップ4 成功シナリオの追求
- ステップ5 成功シナリオの実施
- ステップ6 効果の確認
- ステップ7 標準化と管理の定着
- ステップ8 反省と今後の対応
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こんなに覚えられない!という人もいることでしょう。
実務を積んでいればなんとなくできそうな気もします。
でも実務経験が少なく、自信がない人もいると思います。
そんな時は、問題文をよく読みましょう!
(。´・ω・)?
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現在のところQC検定1級の筆記問題は、4問から1問を選択し解答する形式です。
4問中1問くらいは、すごく細かく説明を要求してくるものがあります。
そのすごく細かい説明は、基本的にQCストーリーそのままの流れになっています。
QCストーリーの流れを思い出せなくなったら、問題文からヒントをもらいましょう。
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QC検定1級を受けた時の体験談は こちら
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まとめ
①QCストーリーには、問題解決型と課題達成型がある
②まずはテーマの選定、そして事実確認・目標設定
③効果のある対策・方策を立てよう
④方策・対策の効果を確認し、フィードバックしよう
⑤うまくいったらルール化、そして反省
⑥QC検定では問題文をよく読もう!
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QC検定1級と準1級との差は、この筆記問題です。
日頃の業務でも有効な考え方のプロセスなので、ぜひ日常業務で実践し1級をとりましょう!
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