QC検定2級 出題範囲

信頼性工学 1

公開日2020年10月11日  最終更新日 2021年9月19日

みなさんこんにちは、michiです。

前回の記事では、管理図の作り方を学びました。

今回は信頼性工学 1と称して、信頼性工学について学びます。

QC検定では得点源になる分野なので、しっかりと学びましょう。

キーワード:「バスタブ曲線」「MTTF」「MTBF」「MTTR」

①バスタブ曲線とは

バスタブ曲線とは、縦軸に故障率、横軸に時間をとり、時間の経過とともに故障率がどのように変化するかを表した図です。

故障率の時間変化は「バスタブ🛀」のような形であることから、「バスタブ曲線」と言われています。

このバスタブ曲線は次の3つの期間に分けられます。

  • 初期故障期 (DFR: Decreasing Failure Rate)
  • 偶発故障期 (CFR: Constant Failure Rate)
  • 摩耗故障期 (IFR: Increasing Failure Rate)

それでは、それぞれ特徴を見ていきましょう。

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初期故障期

初期故障期は、故障減少型(DFR: Decreasing Failure Rate)とも呼ばれ、時間の経過とともに故障率が減少していく期間です。

時間の経過とともに故障率が減少するという状況はなかなかイメージできないかもしれません。

初期故障の例として、製品の仕様を満たせていない場合があります。

製品の仕様を満たせていない製品は、早い段階で見つけられ、時間とともに仕様を満たせていない製品の数は減っていきます。

仕様を満たせていない製品の数が減るということは、故障率が減少するということになります。

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このように、初期故障期の特徴は、製品設計ミスや製造不良などの製造者の責任になることです。

いわゆる「リコール」された製品は、初期故障が多く検出された、または初期故障が多く発生する可能性がある場合に実施されます。

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偶然故障期

偶然故障期は、故障率一定型(CFR: Constant Failure Rate)とも呼ばれ、故障率が安定している期間になります。

バスタブ曲線のバスの底に当たる期間です。

ポイントは、偶発故障期の故障率は低い確率で安定することです。

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摩耗故障期

摩耗故障期は、故障率増加型(IFR: Increasing Failure Rate) とも呼ばれ、時間の経過とともに故障率が増加していく期間のことです。

いわゆる製品寿命(耐用期間)を過ぎた状態です。

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購入して一か月の自動車が壊れた場合は、初期故障期間内の故障であると考えられますが、購入して30年も経って故障した場合は、それはもう摩耗故障期と考えられます。

このように、バスタブ曲線では3つの故障期間をまとめて表現したものになります。

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②耐久性とは

耐久性とは製品の壊れにくさを表す性質のことです。

耐久性を表す対称として ①非修理系 ②修理系 の二種類があります。

①非修理系とは、修理できない製品やシステムのことで、例えば電球や、プロテインシェイカーなどがあります。

②修理系とは、修理可能な製品やシステムのことで、例えば自動車や筋肉などがあります。

それではまず ①非修理系 の耐久性について、よく使われる用語を学んでいきましょう。

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MTTF

MTTFとは Mean Time To Failure: 平均故障時間 のことで、以下の式で表されます。

\[MTTF \qquad = \qquad \frac{総稼働時間}{総故障件数}\]

計算の意味は、故障するまでの平均時間を求めています。

次の表をみてください。

この表には10個の製品それぞれの故障時間が書かれています。

MTTFを求めると

\[MTTF = \frac{364+360+505+530+347+487+384+483+309+304}{10}\]

\[MTTF \qquad = \qquad 407.3\]

ポイントは非修理系ですので、故障したらそれで製品寿命は終わり ということです。

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非修理系は修復ができないので、消費を始めると故障へ向けて一方通行となります。

一方通行という方向を示すので、 Mean Time To Failure になります。

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\(B_{10}\) ライフ

\(B_{10}\) ライフとは故障した製品・システムが全体の10%に達する時間のことです。

製品には様々なばらつきが存在しますが、寿命もその一つです。

縦軸を故障数、横軸を時間でグラフを作成した時に、全体の分布の10%が故障した時の時間になります。

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MTTF(平均故障時間)の時に使った表をもう一度見てみましょう。

サンプル数が10個しかありませんが、この時の\(B_{10}\) ライフは、

\[B_{10} ライフ=309\]

となります。(今回は、全体の10%=最初の1個)

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通常、\(B_{10}\) ライフは、MTTF(平均故障時間)よりもは小さくなります。(下図)

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しかしMTTFは平均ですので、恐ろしく寿命の短い分布があった場合、\(B_{10}\) ライフより短くなる可能性があります。

そのような場合は、層別することで寿命の短いグループと長いグループを分け、分析します。

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以上が①非修理系(修理不可能な製品)の耐久性を表す指標です。

次に②修理系修理可能な製品)の耐久性について学びます。

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MTBF

MTBFとは、Mean Time Between Failure: 平均故障間隔 のことで、以下の式で表されます。

\[MTBF \qquad = \qquad \frac{総稼働時間}{総故障件数}\]

(。´・ω・)? アレ?

そうです、式自体はMTTFと同じです。

MTBFは修理するまでの稼働時間の平均を、求めていることに気を付けてください。

例えば次の表をみてください。

この図では5回の稼働時間と4回の修理時間が書かれています。

この図から製品AのMTBFを求めると、

\[MTBF \qquad = \qquad \frac{407+506+302+385+427}{5}\]

\[MTBF \qquad = \qquad 405.4\]

\[\]

ポイントは修理系ですので、故障しても修理して使える ということです。

何回も使えるということは、稼働と修理の繰り返しになります。

繰り返すということは、ある時の稼働時間は修理の間に挟まれた時間です。

挟まれた時間ということで、Mean Time Between Failure になります。

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MTTFとMTBFは、計算式こそ同じですが、対象が非修理系か修理系かで呼び方が異なることに気をつけてください。

\[\]

故障率\(λ\)

故障率\(λ\)とは、単位時間当たりの故障回数のことで、以下の式で表されます。

\[故障率λ = \frac{総故障件数}{総稼働時間}=\frac{1}{MTBF}\]

MTBFの計算で使用した表を使って故障率\(λ\) を計算すると、

\[故障率λ=\frac{1}{MTBF}=\frac{1}{405.4} ≒ 0.00247\]

単位時間当たりの故障する確率(\(λ\))を表すか、修理までの平均稼働時間(MTBF)を表すかの違いはありますが、本質的には同じものを表す指標になります。

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③信頼度とは

信頼度とは単位時間あたりのシステムや機械が機能している確率です。

信頼性ブロック図で表します。

信頼性ブロック図では、システムや機械で使われる要素の信頼性を次の2通りを組合せて表します。

  • 直列系:すべての要素が機能を果たす必要がある
  • 冗長系:少なくとも一つの要素が機能する必要がある。代表は並列系

\[\]

直列系の信頼度

直列系すべての要素が機能した時のみ機能します。

信頼性ブロック図で表すと、下図のようになります。

この時の信頼度は、 

\[信頼度=R_1 ×R_2 × R_3 \]

となります。

各信頼度が、\(R_1=0.95, R_2=0.90, R_3=0.85\) の場合

\[信頼度=R_1 ×R_2 × R_3 =0.95 ×0.90 × 0.85 ≒ 0.727\]

となります。

\[\]

冗長系の信頼度

冗長系は、少なくとも一つの要素が機能しているときに、全体が機能します。

冗長系の代表として、並列系で考えてみましょう。

信頼性ブロック図で表すと、下図のようになります。

この時の信頼度は、 

\[信頼度=1-(1-R_1) ×(1-R_2) ×(1- R_3) \]

となります。

 (。´・ω・)?

計算式が直列系に比べてかなり複雑です。

なぜこのような式になるのか考えてみます。

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いきなり並列系の信頼度を求める前に、直列系の意味から考えてみます。

直列系では、全体の信頼度を各要素の信頼度の積で求めました。

これは、各要素が機能した時にのみ、次の要素へ進むことができるからです。

\[\]

では、並列系ではどうでしょうか?

並列系では少なくとも一つの要素が機能していれば、全体が機能します。

ということは、裏を返せば「全体が機能しない時は、すべての要素が機能しない時」と考えられます。

各要素が機能する確率を信頼度といいましたが、逆に要素が機能しないことを不信頼度と言います。

並列系ではこの不信頼度の積が、全体の不信頼度となります。

\[\]

さて、信頼度と不信頼度の関係は次の式で表されます。

\[信頼度=1-不信頼度\]

信頼度と不信頼度は、0~1の間の値(確率)をとり、その和は1(=100%)となります。

各要素の状態は、機能しているか機能していないかの二択であるため、その和は100%になるわけです。

同様の考え方で、並列系全体における信頼度は、次式のようになります。

\[全体の信頼度=1-全体の不信頼度\]

\[\]

全体の不信頼度は、各要素の不信頼度の積で求められたので、各要素の不信頼度を\(F_1, F_2, F_3 \) とすると、「全体の信頼度」は

\[全体の信頼度=1-F_1×F_2×F_3\]

\[\]

各要素の不信頼度= 1- 各要素の信頼度」 なので、\(F_1=1-R_1, F_2=1-R_2, F_3=1-R_3\) となります。

以上から、並列系における全体の信頼度は、

\[全体の信頼度=1-(1-R_1)×(1-R_2)×(1-R_3)\]

\[\]

QC検定では直列系と並列系を組み合わせた信頼性ブロック図の計算が出題されます。

少し手間ですが、一度は解いてみましょう!

答えはまとめにあるよ!

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④保全性とは

保全性とは、製品が故障や劣化した時に見つけ修復し、維持できる能力のことです。

保全には故障を未然に防ぐ予防保全と、故障が発生してから行う事後保全があります。

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予防保全には、一定の期間ごとに行う時間計画保全と、製品の状態を見て行う状態監視保全があります。

事後保全には、緊急保全と通常保全があります。

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MTTR

MTTRとは Mean Time To Repair平均修復時間 のことです。

修復という言葉からもわかるように、修理系で使用され、以下の式で表されます。

\[MTTR=\frac{総修理時間}{総修理件数}\]

②耐久性の説明(MTBF)でも使用した下表を見てください。

この表より、MTTRを求めると、修理は4回やっていますので、

\[MTTR=\frac{70+55+59+64}{4}=62\]

となります。

この時のToは「修理するための」という意味になりますので、Mean Time To Repair となります。

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MTTRは製品が故障した時にどのくらい早く復旧できるかを表す指標です。

保全性の観点では、壊れないこと(耐久性)を考えるのではなく、壊れた場合にいかに早く復旧できるかを考えます。

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⑤アベイラビリティ(稼働率)とは

アベイラビリティは稼働率とも呼ばれ、製品やシステムがどの程度稼働するかを表す指標です。

修理系の製品やシステムで使われ、以下の式で表されます。

\[アベイラビリティ(A)=\frac{動作時間}{時間全体}=\frac{動作時間}{動作時間+修理時間}\]

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動作時間の尺度としてMTBF(平均故障間隔)、修理時間の尺度としてMTTR(平均修復時間)を学びました。

この二つを利用すると、アベイラビリティ(A)は以下の式で表されます。

\[アベイラビリティ(A)=\frac{MTBF}{MTBF+MTTR}\]

アベイラビリティ(A)を向上させるには、MTBF(平均故障間隔)を伸ばすか、MTTR(平均修復時間)を縮めることが重要になります。

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下表のデータからアベイラビリティを求めると、

\[アベイラビリティ(A)=\frac{動作時間}{動作時間+修理時間}=\frac{MTBF}{MTBF+MTTR}=\frac{405.4}{405.4+62}\]

\[アベイラビリティ(A) \qquad ≒\qquad 0.867\]

上の例では、実際の稼働率は86.7%で、13.3%は修理状態にあるということになります。

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まとめ

①バスタブ曲線は三つの故障期間をまとめたもの

②耐久性には、修理系と非修理系で異なる指標がある

③信頼度は直列系と冗長系の二種類がある

④保全性には、予防保全と事後保全がある

⑤アベイラビリティは、実際に製品が稼働している割合を表す

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「③信頼度とは」の問題の答えは、0.99900… となります。

まず並列系の信頼度をそれぞれ求め、その後二つの並列系を直列系として計算します。

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以上が信頼工学 1 の内容でした。

次回は「信頼性工学 2」として、今回紹介しきれなかった信頼工学の内容について勉強していきます!

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  1. […] この時の信頼度は、前回の記事「信頼性工学 1」で学んだ、信頼性ブロック図の直列系を使って計算することができます。 […]

  2. […] 次回は、信頼性工学について勉強していきます。 […]

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