公開日2021年1月12日 最終更新日 2021年9月12日
みなさんこんにちは、michi です。
それでは早速3級の問題を解いてみましょう!
今回のテーマも前回に引き続き、 工程能力指数 です。
問)上限規格 120g、下限規格 85g のみかんがある。
みかん20個を取り出して平均値を計算したところ、110gであった。
取り出したみかんの分散を調べると \(4^2\) となった。
この時、工程能力指数 \(Cp\) 及び \(Cpk\) を求め、みかんは安定して生産されている状態か判断しましょう。
\[\]
答え・解説は↓
解答)
※ドラッグで表示
- \(Cp\): 1.458
- \(Cpk\):0.833
みかんの工程能力指数は[ 改善処置が必要 ]である。
\[\]
解説)
両側規格の工程能力指数は以下の式で表されます。
\[工程能力指数(Cp) = \frac{上限規格 – 下限規格}{6 × 標準偏差(σ)}\]
今回の問題では、上限規格=120g、下限規格=85g、標準偏差=4 となります。
※分散が \(4^2\) なので、標準偏差は 4 となります!
この値を計算式に当てはめると、
\[工程能力指数(Cp) = \frac{上限規格 – 下限規格}{6 × 標準偏差(σ)}\]
\[=\frac{120-85}{6×4}=\frac{35}{24}=1.458\]
\[\]
次に片側規格の工程能力指数 \(Cpk\) を求めますが、上側規格と下側規格があります。
平均値が 110g であったので、それぞれを求めると、
\[片側工程能力指数(Cpk) = \frac{上限規格 – 平均値}{3 × 標準偏差(σ)}\]
\[=\frac{120-110}{3×4}=\frac{10}{12}=0.833\]
\[片側工程能力指数(Cpk) = \frac{平均値 -下限規格 }{3 × 標準偏差(σ)}\]
\[=\frac{110-85}{3×4}=\frac{25}{12}=2.083\]
\[\]
片側規格の工程能力指数では、数値の小さいほうを採用します。
よって、片側規格の工程能力指数 \(Cpk\) = 0.833 となります。
\[\]
この結果を、下表より評価します。
Cp,Cpk≧1.67 | 十分すぎる |
1.67>Cp,Cpk≧1.33 | 十分満足している |
1.33>Cp,Cpk≧1.0 | まずまずである。十分な状態に改善する |
1.0>Cp,Cpk≧0.67 | 不足しているので、1.33になるように改善処置をとる |
0.67>Cp,Cpk | 非常に不足している。原因を究明し、是正処置をとる |
すると、両側規格の工程能力指数 \(Cp\) は 1.458 なので「十分満足している」と評価できます。
ところが、片側規格の工程能力指数 \(Cpk\)は 0.833 なので、「不足しているので、1.33になるように改善処置をとる」 と評価できます。
\[\]
以上のことから、みかんのばらつき自体は規格の幅を十分に満足していますが、上限規格に近すぎる状態のため、改善処置が必要なことが分かります。
なお、今回の問題ではサンプル数が与えられていますが、不要な情報に惑わされないようにしましょう!
\[\]
今回の解説の詳細は記事「工程能力指数の使い方」をご参照ください。
\[\]