公開日2021年1月12日 最終更新日 2021年9月12日
みなさんこんにちは、michi です。
それでは早速3級の問題を解いてみましょう!
今回のテーマは前回・前々回に引き続き、 正規分布の規格化 です。
問)みかんを箱で大量に購入したところ、標準偏差\(σ^2=10^2\) だった。
また、みかんの平均値(\(μ\)) は100gであった。
このとき、みかんの重さが80gから110gの間になる確率(%)を求めましょう。
なお、みかんの重さの分布は正規分布にしたがいます。
\[\]
↓標準正規分布表
\[\]
答え・解説は↓
解答)
※ドラッグで表示
⇒ 81.85%
\[\]
解説)
前回、前々回の問題の復習ですが、正規分布の規格化の式は下のようになります。
\[ Z=\frac{x-μ}{σ}\]
\[\]
さて、このようにある区間に入る確率を求める計算では、前回のようにはういきません。
次のステップで計算をしていきます。
- 求める区間よりも大きくなる確率を求める
- 求める区間よりも小さくなる確率を求める
- ①、②の確率を全確率(=1)から引き算する。
\[\]
①と②はどちらの計算から始めても構いません。
それでは、早速確認していきましょう。
\[\]
①区間よりも大きくなる確率を求める
この確率を求める方法は前回の計算問題と同じ方法になります。
境界となる重さが、今回は110gなので次のように規格化します。
\[ Z=\frac{x-μ}{σ}\qquad=\frac{110-100}{10}\qquad=1.00\]
\[\]
この確率変数(\(Z=1.0\)) に該当する確率を標準正規分布表から見つけると
Kp=1.0 ⇒ P=0.1587
と書かれています。
つまり、110g以上の重さのみかんが存在する確率は、15.87% となります。
\[\]
②区間よりも小さくなる確率を求める
それでは次に、みかんの重さが80gよりも軽くなる確率を求めます。
ここで問題となるのが、標準正規分布表は標準正規分布の右側の確率しか表していないことです。
(。´・ω・)?
つまり、この表には平均値よりも小さい値の確率が書かれていません!
!Σ(・□・ )
ではどうすればよいのか?というと、正規分布の特性を使います。
\[\]
今回使う正規分布の特性は、「左右対称」であることです。
①の計算では、平均値100gよりも10g以上重いみかん(>110g)が存在する確率を15.87%と計算しました。
正規分布が左右対称な形ということは、平均値100gよりも10g以上軽いみかん(<90g)が存在する確率も15.87% と計算することができます。
このように、ある値よりも小さい確率は、正規分布の左右対称の性質を使って、ある値よりも大きい確率と同じ方法で求められます。
ですので、標準正規分布は平均値よりも大きい場合のみあれば良いというわけです。
\[\]
さて、理屈はわかったので計算をしていきます。
今回はみかんが80gよりも軽くなる確率をもとめるので、規格化の式は
\[ Z=\frac{x-μ}{σ}\qquad=\frac{80-100}{10}\qquad=-2.00\]
\[\]
符号「(\(-\))マイナス」がありますが、気にする必要はありません。
左右対称だからです。
標準正規分布表より、確率変数が 2.0 の時の確率を求めると、
Kp=2.0 ⇒ P=0.0228
と書かれています。
つまり、80g以下の重さのみかんが存在する確率は、2.28% となります。
※正規分布の対称性から、みかんの重さが120g以上となる確率もまた2.28%となります。
\[\]
さて、以上でみかんの重さが110g以上になる確率と80g以下になる確率を計算できました。
\[\]
③ ①、②の確率を全確率(=1)から引き算する。
いよいよ最後のステップです。
本来知りたい確率は、「みかんの重さが80gから110gの間になる確率(%)」になります。
①と②の計算で、みかんの重さが110g以上になる確率と80g以下になる確率がわかりました。
ですので、全確率(=100%) からこれらの確率を引き算すれば、答えが出ます。
\[1-0.1587-0.0228\qquad=0.8185\]
よって、81.85% が答えとなります。
\[\]
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