公開日2021年1月12日 最終更新日 2021年9月12日
みなさんこんにちは、michi です。
それでは早速3級の問題を解いてみましょう!
今回のテーマも前回に引き続き、 平方和、不偏分散、標準偏差 です。
※今回も電卓を使わないと難しいかもしれません。
問)ある製品Aを10個サンプリングして測定した結果、標準偏差\(σ\) は 「3.0」 となった。
この時の以下の値を求めましょう。
- 平方和
- 不偏分散
- 平均値
※ただし、各測定値の二乗の和は 「91」 でした。
答え・解説は↓
解答)
※ドラッグで表示
- 平方和: 81
- 不偏分散: 9
- 平均値: 10
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解説)
今回の問題は、前回の「平方和⇒不偏分散⇒標準偏差」の逆を辿って計算する問題です。
標準偏差は不偏分散の平方根のことでしたから、
\[標準偏差=\sqrt{不偏分散}\qquad⇒\qquad 標準偏差^2=不偏分散\]
よって、不偏分散は
\[不偏分散=標準偏差^2=3^2=9\]
\[\]
不偏分散が分かったので、次は平方和を求めます。
不偏分散は平方和を自由度で割った値になります。
今回のサンプル数は 10 ですから、自由度は 9 (=10-1) となります。
\[不偏分散=\frac{平方和}{自由度}\qquad⇒\qquad不偏分散×自由度=平方和\]
よって平方和は、
\[平方和=不偏分散×自由度=9×9=81\]
\[\]
残るは平均値なりますが・・・
平方和はわかっているものの、各測定値が分からないので定義式(下式)からは求められなさそうです。
\[ 平方和 (S) = \sum (x_i – \overline{x})^2 \]
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では、どうすればよいのか?というと・・・
「庭にひくサンプル分のワニ」 を使います!
※詳細な説明は上のリンクからお願いします。
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「庭にひくサンプル分のワニ」の計算式は下式になります。
\[ \sum x_i^2 - \frac{(\sum x_i)^2}{n}\]
\[ x_i の i はデータ数, nはサンプル数\]
今回は問題文で「二乗の和(\(\sum x_i^2\))=91」が与えられています。
したがって、平方和=81を代入すると
\[平方和=二乗の和-\frac{平均値^2}{サンプル数}\]
\[⇒\qquad平均値^2=(二乗の和-平方和)×サンプル数\]
\[⇒\qquad平均値^2=(91-81)×10=100\]
よって平均値は、
\[平均値=\sqrt{100}=10\]
\[\]
今回は計算を逆にたどる方法の問題でした。
慣れない出題形式で戸惑ったかもしれません。
しかし、各計算式を覚えていれば解ける問題なので、しっかりと復習をしておきましょう!
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